三菱「デリカD:5」にオイルフラッシング施工を行いました。
こちらのお車は、コンプレッサーの故障で新品に交換済みでした。
コンプレッサーが焼き付くと鉄粉等の不純物がエアコンシステム全体に回ってしまい、各所で詰まりが発生する可能性があり、コンプレッサーを新品交換しても不調が続くという事があります。
そこで効果的なのが、スナップオンのカーエアコンサービスステーションでしか施工できない「オイルフラッシング施工」です。
スナップオンの「オイルフラッシング施工」は、コンプレッサーから高圧、低圧の配管を外してデュアルプロ本体と直結し、大量の高純度フロン液を使って配管の洗浄をする作業です。
スナップオンのフラッシングは冷媒である「R134a」ガスを液状化させて洗浄するので、洗剤のような不純物が残ってしまう心配がありません。
エキスパンションバルブの洗浄に効果的と言われる、新たに搭載された
「パルス洗浄モード」で60分間洗浄をします。
タンク残量が1225gと表示されてますが、施工前は3000g以上入ってましたので、いかに多くのガスを使って洗浄しているかが分かります。
フラッシング用のホースには特殊なフィルターがついていて、ここで不純物を濾過していきます。
60分かけて洗浄した結果、フィルターは黒ずんでおり、細かな鉄粉を回収しているのが分かります。
配管内では大して影響のない程度の鉄粉でも、エキスパンションバルブでは冷媒を圧縮する為に通路が一気に狭くなり、最も詰まりが発生しやすい場所で、鉄粉といえど影響は小さくありません。
洗浄が終わったら後は通常の施工と同じ様に進めていきますが、配管内が空の状態なので、まずは虫バルブを新品に交換します。外したバルブはスプリングがユルユルでした。
そして、こちらのお車は新品のコンプレッサーに交換してあるので、コンプレッサーオイルは充填されていません。
デュアルプロのデータベースでオイル量を調べると80ccでしたので、リキッドオイルを70cc注入し、スノコAC EFFECTER(R134ガス15g+オイル15cc)を添加します。
ボトルに適量を入れたらデュアルプロにセットします。
調子よく冷えております!
しかし、高圧の圧力が0.91MPaと既定値より低めでしたので、10gのガス補充を行った結果、圧力は0.98MPaまで上昇し吹出口温度は【5℃】まで下がりました。
圧力の測定は、エンジン回転数1800〜2000回転の状態が基準なので、デュアルプロ本体の操作をする間にアクセルを離して圧力も下がるので、実際は1.1MPa程でした。
1.2MPa程の圧力は欲しいので、さらに10gの追加補充を行ってみました。
結果は見込みどおり1.2MPa程まで上がり(印刷時はアクセルオフ)、吹出口温度も5℃をキープしてます。
コンプレッサーは新品になり、配管内は洗浄し、ガス充填量はベストな状態へと調整いたしました。
これでエアコンの心配なくなり、デリカを安心してお乗りいただけます♪
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